共通テストリーディング
【全体講評】
平成30年に行われた試行調査と同様に、大問数は「6問」で、読解問題のみが出題されました。試行調査と比べて英文の分量には大きな変化はないものの、試験時間に対して読解量は多く、センター試験以上にスピードが求められる試験でした。英文の種類としては、「携帯メールのやりとり」、「ウェブサイト上のQ&A」、「雑誌記事」など、「身近」で「実用的な文章」が出題され、「さまざまなテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力などを問うことをねらいとする」という問題作成方針を反映したものでしたが、試行調査で出題された問題と見た目が大きく異なるため、少なからず混乱した生徒はいると思われます。
難易度はセンター試験とほぼ同等のものでした。英文の語数がセンター試験と比べ1000語以上増加していること、本文の中から重要なデータ(固有名詞、人名、数字情報)を探し出す問題が非常に多く、適正解答時間を超え解答を続けた場合、他の問題の解答に影響を与えた可能性があります。しかし、H30年の試行調査を参考に各設問の制限時間を決めた上で、問題の出題のねらいをしっかりと理解し、共通テスト形式の演習がしっかりとできれば高得点を取ることも可能なテストだったと思います。
共通テストリスニング
【全体講評】
平成30年に行われた試行調査と同様、大問数は「6問」でしたが、第3問以降の問題は読み上げ回数が1回となりました。平成30年に行われた試行調査では、第3問の問題の読み上げ回数は2回だったため、試行調査よりも高得点が取りにくい問題となっています。また、設問の間隔や、読み上げ音声のスピードなども試行調査よりも速くなっており、受験生を苦しめました。
難易度はセンター試験よりも上がっています。特に、話者の主張を聞き取ることが求められる第6問のディスカッション問題では、話者の声質が似ており、一人一人の人物の判別をすることが非常に難しい問題でした。しかし、比較的優しい第1問と2問の配点が、平成30年に行われた試行調査から引き揚げられたため、平均点には大きな影響は出ませんでした。
読み上げ回数が1回の設問で確実に正解するためには、設問を先読みすることが必要です。設問をあらかじめ読むことで十分な思考時間を確保することができ、次の設問にすぐに移ることができるためです。しかし、この練習をするためには本番と同じ形式で時間の使い方を学ぶ必要があり、共通テストのリスニング教材が市場に不足していたことを考慮すると、受験生が充分にリスニング対策をすることは難しかったと思います。
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